鎌玉のよしなしごと

日々のよしなしごとをつぶやいているだけ。由無し言(とりとめもない話)か、良しな仕事(nice job!)かは、あなた次第。

徳島のタウン情報誌の現状についてまとめました #徳島 。少し #香川

前書き

タウン情報誌は、大学入学するまでは、ほとんど読んでいませんでした。

でも、香川の大学に行って、「月刊タウン情報かがわTJ KAGAWA)」を毎月購入するようになりました。

香川がどんなところか知りたかったというのもありますが、後に全国的な讃岐うどんブームを起こす「麺通団」や 宝島社のVOWにコンセプトをパクられることになる「笑いの文化人講座」という強力な連載があり、毎月読むのが楽しみであったからです。

就職して、東京では「Tokyo Walker」*1や「TOKYO★1週間」*2を購入していました。

Uターンして、徳島で一人暮らしをするようになって、徳島の最新事情を知るために特集が面白そうであれば、タウン情報誌を購入していました。
女性向けの「CU*」でも、シニア向けの「050(ゼロゴゼロ)」でも。

この春、子供が誕生したため、徳島の育児情報誌である「ワイヤーママ」を購入しようとしましたが、コンビニで見つかりませんでした。
Webサイトを見てみると、「ワイヤーママ」はフリーペーパー化していました。

調べてみたら、徳島の老舗タウン情報誌「あわわ」もフリーペーパー化*3していました。

香川の「月刊タウン情報かがわ」は休刊*4して Web配信*5に形態を変更していました。

「月刊タウン情報かがわ」初代編集長で四国学院大カルチュラルマネジメント学科教授の田尾和俊さんが、休刊によせたコメント

新聞に載った「タウン誌の生命線である地域のグルメやレジャーなどの情報がネットで無料に手に入るようになり、フリーペーパーも登場してきた。構造的な不況産業となっており、休刊の流れは必然なのかもしれない」という三流の社会学者みたいなコメント(笑)は、そういうわけで私がS本君やY塚君に話したことの前段99%と「必然なのかもしれない」の後ろの大事な一言がカットされたものです。

http://www.mentsu-dan.com/diary/bn2012_02.html

おぉ、徳島のタウン情報誌って、今どうなってるのと思い、この記事をまとめることとしました。
田尾さんのカットされた大事な一言に思いをはせつつ、まずは徳島県のタウン情報誌の歴史について振り返り、次に現状についてまとめてみます。

徳島県のタウン情報誌(+「月刊タウン情報かがわ」)年代記

関係者の敬称略

1981年3月

 タウン情報誌「あわわ」創刊。初代編集長に住友達也。
 創刊前に「タウン情報まつやま」(1975年創刊)の初代編集長の佐藤靖雄に、タウン誌創刊について相談。

1982年

 タウン情報誌「タウン情報かがわ」創刊。初代編集長に田尾和俊
 広告代理店セーラー広告(本社:高松市)の100%子会社として設立された株式会社ホットカプセルが編集を担当。

1984年4月

 「株式会社あわわ」設立。(それまでは会社ではなかった)
 住友達也、社長に就任。

1988年9月

 住友達也、20・30代向けのタウン情報誌「ASA(あーさ)」創刊。

1997年6月

 徳島新聞の折り込みフリーペーバー「SALALA(さらら)」創刊。
 編集は、徳島新聞社と 株式会社あわわ などが出資して設立した「株式会社メディコム」が担当。
 ノウハウと人材は あわわ が提供、住友達也は代表取締役専務に。

1998年

 吉野川第十堰を可動堰にすべきか否かを住民に問う「住民投票の会」発足。
 住友達也、「住民投票の会」代表世話人に。
 あわわ紙面でも住民投票を呼びかける。

1999年

 吉野川第十堰住民投票の署名の最終有効数は10万を超えた。
 しかし、徳島市議会は、住民投票の実施を賛成16、反対22で否決。

 「住民投票を実現する市民ネットワーク」が組織され、徳島市議の独自候補を擁立、3人が当選。

2000年

 徳島市吉野川第十堰住民投票が実施される。計画反対が91.6%(投票率55%)。
 徳島市長は可動堰反対へ方向転換。
 しかし、徳島県知事は推進姿勢のまま。

 可動堰反対派は県知事選で独自候補を擁立。住友達也、支援組織の代表世話人の一人に。

2001年5月

 あわわ 元編集長 原田剛、株式会社ワイヤーオレンジを設立。

2001年8月

 住友達也、吉野川第十堰の可動堰化反対活動で、株式会社メディコム上層部と軋轢。
 (株式会社メディコムは、当時徳島県の広報誌を受託していた。)
 住友達也、株式会社メディコム の取締役を退任。
 徳島県知事選終了後の取締役復帰の覚え書きを、株式会社メディコムと交わす。

2001年9月

 徳島県知事選、可動堰推進派の現役知事が当選。
 住友達也、株式会社メディコムに復帰を反古にされ、出資金の倍返しで メディコム から手を引く。

 株式会社ワイヤーオレンジ、月刊育児情報誌「ワイヤーママ」を創刊。
 その後、ワイヤーママは三重、神戸、熊本でフランチャイズ

2002年4月

 可動堰推進派の知事が収賄罪で逮捕され辞職。それに伴う徳島県知事選で、可動堰反対派の知事が当選。
 住友達也、シニア層向けのタウン情報誌「050(ゼロゴゼロ)」創刊。

2002年秋

 住友達也、「月刊タウン情報かがわ」の社長に事業譲渡を提案。

2003年2月

 株式会社メディコム、「月刊タウン情報トクシマ」創刊。

2003年6月

 株式会社あわわ、セーラー広告社の100%子会社に。

2004年11月

 株式会社メディコム、女性向けのタウン情報誌「月刊タウン情報CU*」創刊。

2005年6月

 株式会社ホットカプセルセーラー広告社の事業再編により、株式会社あわわ に事業譲渡。
 ホットカプセルは清算。
 「月刊タウン情報かがわ」の編集は 株式会社あわわ の高松事業部が担当に。

2009年9月 〜 2010年3月

 NHK 朝の連続テレビ小説で「ウェルかめ」が放映。
 倉科カナ 演じる主人公 波美 (なみ)は、徳島市内の情報誌「Hot-Shin(発心)」の女性編集者という設定。
 ドラマ終盤で、新しく出来た出版社に広告スポンサーを奪われ、経営困難で出版社が解散。
 波美は、フリーペーパー「みんなMinami(美波)」を発行、それが評判となり、雑誌「ウェルかめ」へと格上げする。
 ウェルかめ - Wikipedia

2011年4月

 セーラー広告社、「月刊タウン情報かがわ」の編集を担当へ。

2011年7月

 株式会社メディコム、情報誌「徳島人(とくしまじん)」創刊。

2011年8月

 株式会社ワイヤーオレンジ、月刊育児情報誌「ワイヤーママ」をフリーペーバー化。

2012年3月

 「月刊タウン情報かがわ」休刊。讃岐うどんのコンテンツを中心としたWeb配信を行う形態に変更。

2012年5月

 タウン情報誌「あわわ」をフリーペーパー「あわわfree」にリニューアル。
 あわわが発行する「ASA」「050」も新月刊誌「Geen(ジーン)」に統合。

徳島のタウン情報誌およびフリーペーパーの現状

2012年8月現在の状況をまとめました。
まとめ出すときりが無いため、季刊誌やブライダル/求人/住居関連の情報誌は除外しています。
※「たべのん(株式会社トップワン発行)」とか「だいすき(ブライダルプランニング発行)」とか興味深いですけど。

有料

・月刊タウン情報トクシマ 株式会社メディコム 毎月1日
 http://medicomm.jp/category/0331085.html

・月刊タウン情報CU* 株式会社メディコム 毎月15日
 http://medicomm.jp/category/0331086.html

・徳島人 株式会社メディコム 毎月15日
 http://medicomm.jp/category/0418325.html

・Geen(ジーン) 株式会社あわわ 毎月25日頃
 http://awaawa.com/geen.htm

フリーペーバー(徳島全域)

・SALALA(さらら) 発行:徳島新聞社/編集:株式会社メディコム 毎月第1・3木曜日
 http://medicomm.jp/category/0331087.html

・あわわフリー 株式会社あわわ 毎月25日頃
 http://www.awaawa.com/awawa.htm

・ワイヤーママ [徳島版] 株式会社ワイヤーオレンジ 毎月14日
 http://tokushima.wire.co.jp/

・ホットペッパー[徳島版] 株式会社リクルート 毎月27日頃
 http://magazine.hotpepper.jp/

・Elmy(エルミー) 有限会社転職まがじん 毎月1日
 http://www.elmy-net.jp/

・月刊ino(イーノ)[徳島版] 株式会社KG情報 毎月4日頃
 http://www.e-ino.jp/tokushima/

・COCO FREE [徳島版] ココフリー出版事業部 毎月25日
 http://coco-free.com/

・おサイフクーポン「Q-POKE(クーポケ)」 有限会社ミッドサービス 毎月最終木曜日
 http://www.midservice.com/freepaper.htm

・フクポン 株式会社ジェイシーシー 奇数月1日
 http://www.fukupon.com/

フリーペーバー(地域限定)

徳島市
・T-po(ティーポ) 株式会社セファード 毎月20日頃
 http://www.t-po.jp/

徳島市・石井町・北島町松茂町藍住町・鳴門市・小松島市阿南市
・徳島コレクション・トクコレ! アットウェーブ株式会社 毎月25日
 http://www.tokukore.jp/

藍住町北島町・川内町・応神町
・ソライロ(小・中学生サポートマガジン) 株式会社 南プランニング 奇数月末
 http://www.sorairo2010.jp/

■県南部
・なんと 米崎印刷株式会社 毎月15日
 http://ameblo.jp/awagust-tkh/

■県西部
・ meel(ミール) 有限会社ネオプレス 毎月1日
 http://ameblo.jp/meel-neo


徳島のフリーペーパーって想像以上にありました。

参考情報

あわわ初代編集長 住友達也 さんの本。

あわわのあはは―徳島タウン誌風雲録

あわわのあはは―徳島タウン誌風雲録


あわわ 創刊時のドタバタや、以下のエピソードが読める徳島県人の必読書です。

  • 「あわわ」だけで食べられるようになるまで、バイトと掛け持ちの生活
  • 創刊間もない頃に無給で働いていた女性編集者は、北島三郎の長男と結婚
  • タウン情報全国ネットワーク」の加入条件は「タウン情報とくしま」に誌名変更だったが…
  • 四国四県のタウン情報誌が「高級外車モニターの読者プレゼント詐欺」に巻き込まれる
  • 吉野川第十堰可動堰化問題をきっかけとした第十堰住民投票、3度の徳島県知事選挙を巡る戦い
原田剛オフィシャルブログ 原田剛オフィシャルブログ「ワイヤーママ社長日記」Powered by Ameba

あわわ 第7代編集長にして、徳島ラーメン・ブームの仕掛け人。そして、ワイヤーママ社長。
この春、古巣のあわわ に専務(統括編集顧問)として復帰。(ワイヤーママ社長と兼任)
徳島を始め、全国を駆け回るブログ記事を時々読んでいて、子供が出来たら「ワイヤーママ」を購入しようと思っていたのですが、出産で忙しくて、フリーペーパー化したところは読んでいませんでした。

株式会社メディコム 実売部数報告 実売部数報告 - 徳島のタウン情報誌「タウン情報トクシマ」「CU」「徳島人」を出版 メディコム

創刊号以来、「タウン情報トクシマ」「CU*」「徳島人」など自社制作の雑誌の実売部数を発表しています。
出版社として、全国初の試みだそうです。

ところで、「徳島人」のコンセプトは、徳島に生きる人たちをただひたすらに追いかける。
「ウェルかめ」の「Hot-Shin(発心)」のコンセプトと似ている気がします。
また、車社会の徳島では「徳島の渋滞実測大調査」は評判の特集でした。定期的にやってもらいたいです。

その他

フリーペーパー・タウン誌ネットワーク Unyo! / 徳島県検索 http://www.u-nyo.com/search/area/37tokushima/index.html
ARUNO全国雑誌フリーペーパー検索 http://www.aruno.jp/m_search/media_listup.cgi

*1:角川マガジンズ発行。台湾に行ったとき、台北 Walkerも買いました

*2:講談社発行。2010年6月に休刊してたのね

*3:徳島新聞社 : 「あわわ」を無料誌化 「ASA」「050」統合 http://www.topics.or.jp/localNews/news/2012/03/2012_133177417428.html

*4:四国新聞社 : 「月刊タウン情報かがわ」3月発売号で休刊へ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20120202000140

*5: [http://www.tj-kagawa.com/]