すだちの国のエンジニア #ruraladvent
すだちの国のエンジニア #ruraladvent
このエントリは「地方在住ITエンジニア・アドベントカレンダー 2015」の5日目の記事です。
www.adventar.org
こんにちわ
あまりにも人が減りすぎたばかりに、来夏の参議院選挙選でお隣の高知県と合区となった徳島県*1 在住の @kamatamadai と申します。
徳島県と言えば、すだちが名産です。
photo by titanium22
第1次就職氷河期でも新規採用数の多かったIT業界に滑り込んで以来、IT企業を渡り歩いています。
1社目では、主に公共系システム開発の2次受けで東京にいましたが、痛勤電車に疲れ果てて地元である徳島に帰ってきました。
その後、会社が無くなったり(東京の会社に買収された)、会社が無くなったり(親会社が東京に行った)なりながらも、何とか徳島県内のIT企業を渡り歩いています。
現在の仕事は、顧客管理等の業務系システムの受託開発を1次(プライム)で行っています。
住宅事情
妻は、(妻の)実家の家業である農業法人の事務を担当しています。
結婚当初は、私の勤務地である徳島市(県庁所在地)と、妻の実家の中間あたりにある場所に、庭付き一戸建て住宅を借りて住んでいました。そこは、父の知り合いが貸してくれたのですが、6LDKで月5万円で貸してもらえていました。
第2子誕生前に、育児と仕事の両立は苦しいということで、妻の実家の近くに引越しました。マンションだと子どもの声が響くのが気になるため、支払額は上がりましたが、庭付き一戸建て住宅を今度も借りました。
東京で、同じような住宅を借りようと思ったら、支払額は3倍以上になっているだろうと思います。
通勤事情
公共交通機関が充実していない地方では、自家用車での通勤が主な手段になると思います。
私の場合は、片道1時間かけて車通勤しています。
長い通勤時間の中で、IT系PodCastを聞くことで、何とか気を紛らわせています。
通勤時間が長くなるほど、幸福度が下がるという統計データがあるため、このあたりは何とか解消したいですね。
テレビ事情
テレビがアナログで放送された頃は、徳島のほとんどの地域でアンテナを立てると近畿広域圏を対象とする放送局の電波が受信できていました。
そのため、NHKを除く民放は1つしか徳島には作られない状況でした。
しかし、デジタルに移行するとテレビ放送が受信できず、アナログ波で受信できていた放送が見られなくなります。
そこで、徳島県が力を入れたのはケーブルテレビ(以下、CATV)網の整備で、全ての市町村で県外(近畿など)の放送を安定的に視聴できる環境が整えられました。
また、CATVに加入しないと、テレビが地元の民放+NHK総合+NHK教育の3局しか見ることができないため、徳島県のCATV世帯普及率は日本一となっています。
(CATV利用料というのが「見えない税金」となっている面もあります)
そして、CATV網整備に伴って高速ブロードバンド環境が整い、僻地にあるサテライトオフィスでも全国屈指のネットのインフラを利用することができるようになっています。
最高のネットワーク環境 / 徳島サテライトオフィスプロモーションサイト Tokushima Working Styles
我が家も勿論、CATVに加入してます。
仕事事情
大学や高専、工業系高校、専門学校などで多くの学生がプログラミングを勉強していますが、県内企業における新卒求人数は恐らく2桁を超えていないと思われます。
そのため、学生は県外に出るか、異業種に進むかなどの選択が迫られています。
しかし、日本のどこのIT企業もそうですが、徳島のIT企業でも『人手不足』となっていて、即戦力となる中途採用は募集されています。
ただし、以下の注意点があります。
- 東京と比較してエンジニア単価が安い。
- エンジニア単価情報 | ニアショア機構
- 「ニアショア」とは「オフショア」という海外への業務委託に対する言葉で、日本国内の地方への業務委託を指しています。
- 仕事の専門性よりも、マルチスキル(クライアントからサーバーサイドのプログラム・設計、インフラ、仕様調整そして営業)が求められる。
前述の「ネットのインフラ」などを利用して、徳島県の過疎地にサテライトオフィスを開設することが注目を集めています。
サテライトオフィスであれば、専門性を活かした仕事があるかもしれませんが、福岡県や島根県と比較して、まだ進出企業数が少ない状況です。
biz.moneyforward.com
※上記の記事は徳島県内企業しか掲載されていないのですが、徳島県の知名度が低すぎるため、タイトルには四国となっているあたり、暗澹たる気持ちです。
仕事のことは、「東京」「地方」という対立軸で捉えるのではなく、自分は何がやりたいか、そのために何を変えるのかを考えて、悩みながらチャレンジを繰り替していくしかないですね。
kuranuki.sonicgarden.jp
子育て事情
子供を持ってみて一番驚いたのが、都会の認可保育園の待機児童問題です。
東京では、子供を認可保育園に入れるために、嘘か本当か「母子家庭なら入りやすいので、離婚もする」とのこと。
それに比べて、徳島はゼロとは行きませんが、全国平均と比較しても圧倒的に待機児童が少ないので、子育てを機に徳島に移住を考えてもよいのではないでしょうか?
徳島の待機児童率ランキング【スマイティ】
子供たちは、近所の公園や少し離れた体験型の大型公園に連れて行ったりします。
yossense.com
また、子供が癇癪を起こしたときは、抱っこをして田んぼの畦道を歩いています。
子供たちが大きくなれば、海*2や山や川にも連れて行ってあげたいと思います。
気軽に自然と触れ合えるのも地方の良いところですね。
本の事情
ネットで何でも読める時代ですが、校正・製本され本という形になっている本からは知識の吸収率が違うように感じます。
東京(会社は東京で、住んでいたのは横浜ですが)にいた頃は、今のように携帯で常に情報を参照できるという時代*3ではなかったので、図書館でよく本を借りていました。
現在も、子供の本*4を借りに通っています。
徳島の図書館は、蔵書は圧倒的に少なく、特にIT系技術書の壊滅的に少ない状況です。
徳島県内でIT系技術書を置いている本屋さんといえば、紀伊國屋書店の2店舗、宮脇書店 徳島本店、附屋書店です。
他県に比べると、こちらもIT系技術書は少ないです。
必要な本は、応援の意味を込めて徳島資本の附屋書店で購入しています。
お金のない中高生は図書館や本の立ち読みで雑多な分野の知識を吸収するものだから、資産的な余裕が出てくれば次世代の育成のために図書館にIT系技術書を寄贈したいです。
勉強会の事情
産学官の協働組織である とくしまOSS普及協会、Rubyコミュニティの tokushima.rb、kamiyama.rb、徳島スマホアプリ開発勉強会、徳島LibreOffice勉強会、Code for Tokushimaなどが定期/不定期にIT系イベントを開催しています。
また、11月には 200人を集めた オープンソースカンファレンス徳島が開催されました。
どんなイベントが開催しているのかは、毎月、私の方でまとめているので、是非参考にしてください。
四国のIT勉強会一覧 カテゴリーの記事一覧 - 鎌玉のよしなしごと
まとめている私自身が、子守や徳島中心部から離れた場所にいるということで、参加やお手伝いを出来ない状況ですが、子供たちがもう少し大きくなれば何かやりたいところです。
その間は、少額なら支援できますので、個人スポンサーを募集したいイベントがあればお知らせ下さい。
徳島県内での実績例:
SUDACHI Hakathon - すだちハッカソン - DevFest 2013
(Sponsored by 鎌玉 大、スポンサーの1人です)